服に付随する背景
長い期間着ていた服でも、作り手の顔が見えているものは大切に保管されていることが多いのではないでしょうか。例えば、母親が編んでくれたニットや、顔見知りの作家が作った手仕事の服は量産品と違って、容易に捨てることができないでしょう。MITTANでは、製品に関する背景を可能な限り伝えていくことで、服と良い関係性を築き、より愛着を持って、長く着続けていただくことを願っています。
MITTAN製品の下げ札に印刷されているQRコードを読み取っていただくと、製品の解説サイトをご覧いただけます。解説サイトでは生地、デザインの特性をご確認いただける他、原料の生産地から生地の紡績、製織、染色、整理加工、製品の縫製を行った場所を知ることができます。私たちの製品は、それぞれに専門技術を持つ工場との協業によって生産されています。ウェブサイトがある協力工場に関しては、地名のリンクから各サイトを参照いただくことも可能です。こうして、お客様が手に取られた製品の生産に携わった工場の成り立ちや環境、特徴的な技術を知ることができます。
また、私たちは服の背景だけではなく、服の行き先にも関心を持って製品を販売しています。製品に付帯している下げ札は、トレーサビリティの観点も考慮し、RFID(電子タグ)(1)を使用しています。FSC認証(2)の紙を使用しておりますが、中に金属製のアンテナが入っておりますので、不要になりましたら、各地域の規定に従って処分してください。
熟練の職人は服を手に取り、生地やその織り方、染色の方法を見れば、どこの産地のものか、どのように作られたのかを瞬時に理解することができるでしょう。また形や縫製の仕方を見て、この服を仕上げた人の技術や完成に至るまでの思考回路も想像できるかもしれません。そういった服作りに関する経験の蓄積が難しくなった現代でも、知りたいという意思があれば情報にアクセスできるような環境を整えたいと考えています。
1. RFID(電子タグ): 値札などに貼り付けられたICタグの情報を接触することなく読み取る技術。
2. FSC認証:Forest Stewardship Council(森林管理協議会)による適切に管理された森林による生産品に与えられる認証制度。