草木染
植物の葉や茎、枝、根、果実、樹皮などから抽出した天然の色素を用いて、糸や生地を染める伝統的な染色技法。化学染料が開発・普及する19世紀後半までは、世界中の衣類や布製品の多くがこうした草木によって染められていました。使用する植物の種類や採取する部位、染液の温度や浸し時間、媒染剤の選び方やその順序、生地との相性によって発色が大きく変わり、多様で奥行きのある色合いが生まれます。
MITTANでは、植物に由来するものに加えて、コチニールやラックなど昆虫由来の天然染料も、広義の草木染めに含めています。いずれも天然資源から得られる染料であり、化学薬品を用いない点では環境への負荷が抑えられる側面もありますが、一方で染色の過程では多くの水や燃料を要するため、別の負荷が生じることも事実です。染料の定着力は合成染料に比べて穏やかで、徐々に色合いが変化しますが、その変化も含めて長く楽しむことができます。
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