柿渋染
柿渋は、青い渋柿を搾って発酵・熟成させた液を用いる、日本で古くから親しまれてきた素材です。防水性・防腐性・防虫性を備え、農作業着や酒袋、傘張り紙、木桶や舟具、漁網の補強など、道具を長く使うための機能材料として生活のさまざまな場面で利用されてきました。
柿渋染は、この柿渋を布地に含浸させ、時間の経過とともに進む酸化を利用して色を定着させる染色技法です。染めた直後は明るい黄褐色に近い色ですが、柿渋に含まれるタンニンが日光や空気に触れることで酸化し、徐々に色が深くなっていきます。
MITTANでは、こうした機能材料としての背景を踏まえ、衣服においても「色」と同時に「素材の性質」を付与する染料として柿渋を用いています。タンニンによる張りと硬さが加わることで、布地の密度や構造が際立ち、着用と洗濯を重ねることで徐々に和らいでいきます。
また、単色での柿渋染だけでなく、インディゴや墨、ベンガラなど他の染色と重ねることもあります。異なる染料を層として重ねることで、繊維の種類や太さ、織り組織の違いに応じて色の深さや濃淡が生まれ、単色の場合とは異なる奥行きのある色合いになります。
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