インディゴ染め
インディゴ染めは、デニムやジーンズなどに広く用いられる染色技法で、還元したインディゴ染料を繊維に浸透させた後、空気に触れて酸化発色させることで鮮やかな藍色を定着させます。現代では化学合成されたインディゴ染料が主流となっており、還元・酸化プロセスが安定しているため短時間で均一な染色が可能です。
インディゴの化学的合成は1880年にドイツの化学者アドルフ・フォン・バイヤーによって実験室規模で初めて成功し、その後1883年に化学構造が解明され、1897年にはBASF社が商業生産技術を確立することで合成インディゴへの移行が加速しました。
染料は主に繊維表層に残るため、着用や洗濯を重ねるごとに色落ちやアタリが生じ、生地にコントラストのある表情変化をもたらします。この経年変化によって、一人ひとりの着用状況に応じた深みや味わいが現れる点がインディゴ染めの大きな特徴です。
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