撚糸
「撚糸(ねんし)」とは、繊維にねじりを加える工程、およびその糸のことです。繊維にねじりを加えることで中心に向かって引き締まる力が生まれ、繊維同士が密着して一本の丈夫な糸へと生まれ変わります。その歴史は古く、約3万年前の旧石器時代には、すでに野生の亜麻にねじりを加えた痕跡が確認されています。
ねじる回数や方向によって、糸の体積や硬さ、伸縮性はさまざまに変化します。なかでも、ねじりを強くかけたものは「強撚糸(きょうねんし)」と呼ばれます。この糸が強く波打つことで、生地の表面に「シボ」と呼ばれる独特の凹凸が生まれ、肌にまとわりつかないサラリとした心地よい肌触りをもたらしてくれます。MITTANでも使用しているこの強撚糸を用いた服は、着ているうちに自重や体の動きで一時的に伸びることがありますが、水を通し、形を整えて干すことで元のサイズへと戻ります。着用と洗濯を繰り返すうちに、糸のなかの緊張がほぐれ、生地はよりしなやかに、着る人の肌に馴染む一枚へと育っていきます。
こうした強撚糸に限らず、MITTANのほぼすべての製品には繊維に撚りがかかっています。一本の糸にかけるねじりの回数をコントロールするだけで、柔らかさも、硬さも、肌触りも自在に表現することができます。道具がどれほど進化しても、このシンプルな原則は変わりません。旧石器時代から絶えることなく磨かれ、衣服という文化を形作ってきたこの技術は、人類が積み重ねてきた普遍的な知恵であると考えます。
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